氏郷、まちづくりの才
2013年08月18日
近江・日野から氏郷は2回の転封の度に地名を変えています。伊勢では松ヶ島を松坂に、陸奥、黒川を若松に。氏郷はただ地名を変えたのではありません。それまでの土着の技術に日野の高い技術と商売のノウハウを注入し、殖産興業を図るためでした。それをスムーズに進めるために地名を変えることで、土着の者も流入してきた者も新たな町のためにと協力同化させる氏郷の戦略でした。松坂では伊勢商人が、若松では会津商人が育ちました。つまりは、日野、松坂、会津は近江商人の流れをくむ兄弟なのです。近江商人の三方良し(売り手良し、買い手良し、地域良し)に代表されますが、たとえば1、売る前のお世辞より売った後の奉仕、これこそ永遠の客を作る。1、無理に売るな、客の好むものを売るな、客の為になるものを売れ。など10か条の商売訓を持ち、公共施設を造り町に寄贈するなど社会貢献活動も積極的に行っていました。この近江商人の流れをくむ企業には、トヨタ自動車、日本生命、西武鉄道はじめ多くの大企業があります。
今の時代こそ、私たちは近江商人から改めて学ぶ必要がありそうですね。