千少庵の恩

「こうしん夏書」によると利休七哲の筆頭は蒲生氏郷、2番高山右近、3番細川忠興、四番芝山宗綱、5番瀬田掃部、6番牧村利貞、7番古田織部となっているように、氏郷と利休とは特に親交が厚かったのです。それでも千利休を助けることができませんでした。氏郷は利休切腹後、その子、少庵を会津に庇護し、のちの千家復興の道筋を作ります。氏郷が先にご紹介した時世の句を詠んだとき、少庵は涙し氏郷に返歌を以下のように詠んでいます。「降ると見ば 積もらぬ先に払えしか 雪には折れぬ青柳の枝」(貴方様は散り行く花などではありません。積もる雪にも折れず、しなり、ついには雪を払う青柳でございます)氏郷に対する少庵の深い恩を感じる歌ですね。